| 第2回: 浦島太郎の科学(2004/2/25) 前回、「こつこつ貯筋を」と筋肉をテーマに書きましたが、今回はその続編です。 脚の筋肉は毎年1%減少
20代をピークに脚の筋肉は1年で1%減少していくので、30才から60才にかけて30%筋量が減ることになります。もちろん筋肉をよく使う人とそうでない人では差があります。20代の若者では腿の筋肉は体重1kgあたり25gありますが、10gを切ると自分の体重を支えきれなくなるという報告があります。これは、車椅子で生活している老人ホームの高齢者を調べた結果、体重1kgあたり8gであったという報告と合致しています。この老人ホームには一人だけ歩ける人がいて、調べてみると11gだったそうです。 筋肉はエンジン
人間のカラダは筋肉が収縮することで関節を動かし、動作が可能になります。当然,筋肉が減り筋力が低下すると思うようにカラダを動かすことができなくなります。クルマでいえば筋肉はエンジンであり、エンジンの出力が低下するとクルマは本来の走りができなくなるということです。 2日間寝ていると1%筋肉が減少
普通の生活をしていると1年で1%の筋肉が減少していきますが、寝たきり生活をするとたったの2日間で筋肉が1%減少してしまうというデーターがあります。老人を寝かせきりにすると、筋量の減少が進行し立ち上がる体力がなくなり、寝たきりになってしまうというケースも少なくないようです。
日常生活では、最大身体能力の20〜30%を発揮していますが、20%を下回る生活をしていると体はマイナスに適応し体力は低下していきます。 宇宙では毎日1%の筋肉が減少
宇宙飛行士の身体データーから宇宙空間では1日で1%筋肉が減少するということが報告されています。そのため、現在の宇宙飛行士は筋量を維持するため、宇宙船の中で筋力トレーニングを行っています。その効果で、昔の宇宙飛行士のように帰還直後は一人で歩けなくなるほど筋力が低下してしまうことはなくなりました。 浦島太郎の科学
浦島太郎は30歳で竜宮城に行き、タイやヒラメの舞を楽しみながら1カ月を無重力下の海中で過ごしました。宇宙空間と同様の無重量下では筋肉は毎日1%減少します。地上の生活では1年で1%減少する筋肉も、海中では1日で1%減少します。言い換えれば1日で1才年をとることになり、1カ月過ぎると30才だった浦島太郎は60才になり、髪も真っ白くなってしまいます。 笑い話のようですが、カラダの適応力の凄さを物語るものです。疲れたから休日はゴロ寝という生活ではマイナス適応が起こる(浦島太郎になる)ということも知っておきたいものです。 ゆっくりと散歩するというような適度な運動をすると血流が盛んになるのでゴロ寝よりはるかに疲労回復が早くなります。これを積極的休養といいます。 ※参考文献:Sportsmedicine 2002.11 No.45 |