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銅人形の童(わらべ)たちが遊ぶ街
■■第9回 09 はなたれっこの童 赤川政由作 (2004/4/30)
■はなたれっこ 昔、いつも鼻をたらしていた。手を洗ってもハンカチを使わないので手は荒れていた。爪を伸ばしていた。成長するにつれて、いつのまにか身なりはきれいになり、彼女もできて結婚して子もできた。はなたれっこはいつのまにか一人前になっていた。 どうやって一人前になったの、はなたれっこさん?
はなたれっこ(正面)
はなたれっこ(右)
はなたれっこプレート
亀(左)
亀(正面)
「お掃除するよ。外で遊んでてね」「はあい」 新入生は元気よくばたばたと教室を出て行った。中にわらべもいた。「さあて、お掃除。お掃除」 わらべの学校では上級生が新入生の教室を掃除する。姉は今朝、わらべの教室に掃除に来ていた。教室の床を掃いていると先生が近づいてきた。「弟さん、忘れ物が多くてね。ハンカチとちり紙をよく忘れるの。気を付けるようにとご両親に話しておいてね」姉は自分が怒られた気がして、顔をしかめた。「さっきも鼻水を垂らしてた。昨日も。まったく、何で私が怒られるの?」「姉ちゃん、どうしたの?」「こら! 邪魔なの!」 今日も陽は少し傾き、たんぼには一面れんげ草が咲いて、あたりにはひばりの鳴き声が降り注いでいた。姉はわらべを怒鳴って追い払ったことを後悔していた。たんぼを横切りあぜ道を走ってくるわらべに、姉はほっとした。「姉ちゃん!」「今日は何貰ったの? また叱られるよ」「ううん、これ。姉ちゃんに」「れんげ草? どうしたの?」「じゅうたんみたいで気持ち良さそうだから、姉ちゃんと寝ころべるところを探したんだ。でも、近づくと田んぼばかりなんだ。それで、髪飾りを作ったんだ」「そうなの。今度、姉ちゃんも一緒に探してあげる。帰ろう」姉は丸く絡んだれんげ草を貰って、ちり紙を取り出した。しきりに鼻水をすするわらべの鼻をかむと、鼻水がちり紙からあふれて手についた。姉は鼻水をゆっくりぬぐいながら心に決めていた。
「はい、これ。持って行ってね」「姉ちゃん、ありがとう」 次の日の朝、姉は土間にいるわらべにハンカチ、ちり紙を持たせた。そして、自分も土間に降りて、わらべの手を引いて歩き出した。「先生、気づくかな?」
■■第40回 29 ものうり「とうがらし」(06/12/5) 一話掲載
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